用語解説

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【呪術】 〈呪術〉  詠唱、式もしくは陣の描写、体内器官の活性化などによる、呪力または霊力放出・吸引儀式の総称。用途を問わず「術」と略称で呼ばれることが多く、呪術を扱う人間も、まとめて「術師」と呼ばれることがほとんど。 〈術師〉  主に呪術を扱う人間。色護衆(しきごしゅう)のみならず、各地の神社仏閣や医療施設などに勤務していたり、旅芸人の一味に加わったりしていることもある。天授色(てんじゅしょく)の持ち主に対しても使われる名称。  ・攻防術師:色護衆に所属している術師の名称として使われる。攻と防で分け、攻術師(こうじゅつし)防術師(ぼうじゅつし)と呼ぶこともあるが、使われることは少ない。  ・巫術師(ふじゅつし):治癒や卜占など、非戦闘呪術を扱う術師の総称。主に天授色の持ち主を指すが、あまり使われない。 〈妙術(みょうじゅつ)〉  人間が扱える範疇以上の呪術。主に妖怪や妖雛(ようすう)が扱う固有の術だが、天授の家系や四大武家など、扱える人間も少数存在する。前述の家系はどちらも、先代から次代へと受け継がれてきたものである。  ごく稀に、家系など関係なしに、先天的に妙術を扱える状態で生を受けた人間が現れることもある。 〈呪詛〉  怨念など負の感情を元に、相手を呪い殺すための呪術。物の怪は強大な呪詛を体にため込んでいる。  人間が呪詛を使った場合、反動に耐えきれないことがほとんどだが、強い妖怪や物の怪の場合は、反動すら己が力としてため込むことができる。  呪詛に侵されたものに触れると、呪いが感染するため、対象を処理する際には非接触が望ましい。対象を鎮静化などしなければならない場合は、別の物を介して触れることとなる。 〈呪詛持ち〉  向けられた呪詛を体内にため込んでいる人間、妖怪のこと。多くは妖怪だが、人間でも呪詛を無理やり体内に押し留めることはできる。ただし、妖怪と違って体力・精神力・呪力を消耗するため、長期間の押し込めはできない。  呪詛持ち対象者:麗部(うらべ)直武 〈循環回路〉  呪力もしくは霊力が通っている器官。体中に網目の如く張り巡らされている。人間も妖怪も、術を使う際はこの器官に力を巡らせることで活性化させ、呪術として打ち出している。  体の持ち主が失命していなければ、循環回路を回復し、そこから対象者を治癒することもできる。しかし、こういった命にかかわる場合には高度な妙術を必要とし、成し得るのは天藤家の天授色保有者、現状では天藤(あまふじ)茉白(ましろ)のみである。  循環回路の損傷で最も恐ろしいのは汚染。呪詛などが入り込むと、術を行使した際に体中へ呪いを運び、体を蝕ませてしまう。また、取り除くには外部から別の術師が慎重に行わなければならないため、対処にも時間がかかる。 〈転送陣(てんそうじん)〉  色護衆が使う術の一つ。黄都府から各地へ、陣を通して一瞬で移動することができる。多大な呪力を消費するため、基本的には行きと帰りの一回分しか使えない。人妖兵(じんようへい)がいる、四大術家関係者がいるなどの場合であれば、複数使うことも可能。  詳細は門外不出のはずだが、とある守遣兵によって、沢綿島(さわたじま)の狸の頭に教えられていたという事実が最近明らかとなった。
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