春の終わりに

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 後輩君との立場が変わった。後輩君は、先輩になった。  奇跡が起きた。  もう、春は来ないと思ってた。けれど、春が来た。サクラが咲いた。  いや、きっと春じゃない。これから待っているのは春じゃない。夏休(大学生活)みが始まるんだ。  春が終わって辛い梅雨(浪人生活)を乗り越えたから。  これから、楽しい日々が始まるんだ。  これもすべて後輩君のおかげだ。後輩君がいなかったら、きっとこれはあり得なかった。  後輩君が私の日々に意味を持たせてくれたんだ。  きっとすべては、後輩君に会うためだと思えば、辛い日々もキラキラと輝いて思えてきた。  友達の恋人は、気づいたときには違う人になっていた。理由なんて聞かないし、彼がどうなったかなんて知らないけれども。もう興味なんてなかった。  後輩君、私、後輩になったよ。だから、これからは、先輩と呼ばせてね。  先輩に恋してます。
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