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あれから、後輩君と話すことがほとんどなくなった。
梅雨に入る前の期間も短かった。だから、これは自然なことだと言い聞かせた。ただ、初対面の猫かぶり期間が終わっただけだと言い聞かせた。
自分の言動の所為だとは思いたくなかった。
後輩君との間には、まるで雨のシャッターが下ろされているような気がした。近づこうとしても近づくことが出来なかった。
それがなんだか、心の中にも雨が降っているような気がした。
早く雨が上がってほしい。早く、雨が上がらないかな。晴れてくれないかな。
そう願わずにはいられなかった。それくらい、たった数日のことだとしても後輩君の話がきけないことに寂しさを感じていた。
後輩君との間に、何かがあるのが嫌だった。
この気持ちは、初めてのものだった。
後輩君と話したい。後輩君に謝りたい。もっと後輩君について知りたい。
私の心は、他のことを考える余裕がないほど、後輩君のことでいっぱいになっていた。
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