Ⅳ.閨 ※

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「ずいぶん煽情的な格好で現れたものだ」 「こ、これは」 「ふ、其方一人では無理だろうな」  夜衣の結ばれた紐を引けば、結び目がほどけて前が大きくはだける。皇帝は楽しそうに、私の左胸の先を舌で舐めた。 「あ……! あっ」  体がびくびくと跳ね、思わず背が反った。そのまま左の乳首は口で吸われ、右の乳首は指の先でくりくりとこねられた。 「ぁあ……」 「反応が良いな、こちらはどうだ」  大きな手で陰茎を包むように撫でられ、そこが既に立ち上がりかけているのに驚く。 「へ、陛下っ」 「どうした? もう、勃っているぞ。良いのだろう?」 「だ、だめです、そんなところっ」  皇帝の肩を押しても、自分の力ではびくともしない。体を磨かれながら、侍女たちが言った言葉を思い出す。  ――陛下にご奉仕をさせてはなりません。神子様が、陛下よりお先に気持ちよくなられてもいけません。 「……ああ、従者に何か言われたか。気にせずともよい。人払いをしたからな、ここには其方と余しかおらぬ」  皇帝はそう言って、私の肌を吸い上げながら、陰茎を上下に扱き始めた。そんなところを人に触れられたことなどなくて、あまりの刺激にすぐに達してしまいそうになる。 「や! 陛下っ……ぁあっ」 「何だ、もう極めそうなのか。構わんぞ」  私は皇帝の首に手を回し、あっという間に大きな手の中に精を迸らせた。くたりと力が抜けた体を支えられ、皇帝は近くにあった布で自分の手と私の体を拭う。自分が達してしまった事実に震えて、涙がぼろぼろとこぼれた。皇帝は呆れたように私を見る。 「せっかく妖艶な姿で現れたと思ったのに、そんなに泣かれては興ざめだ」 「だ、だって。こんなの、はじめてで」  皇帝はふむと考えこみ、私の涙を厚い舌でべろりと舐めた。びっくりして、涙が止まる。 「良かったらいいと、素直に悦べ。(ねや)の中で快楽を追うのは罪ではない」  私を胸の中に抱き寄せて、安心させるようにゆっくりと背を撫でる。ここは広く温かい。自分の心が少しずつ解放されていくような気がする。  落ち着いた私を抱き上げ、皇帝は続き部屋へと向かった。天蓋つきの豪奢な寝台の上に、そっと体を横たえられる。夜衣を脱ぎ捨てた逞しい体が私の上に覆いかぶさってきた。目の前には漆黒の夜の瞳。手を伸ばして精悍な顔に触れれば、優しい微笑みが広がる。  厚みのある唇が私の唇に触れ、優しく何度も口づけられた。互いに息が上がり、舌を絡め合って甘い口づけを交わす。熱い舌が私の口の中を捏ねるように舐め回すと、思わず声が漏れた。  皇帝は首から鎖骨、胸へと、肌を吸い上げては赤い花を咲かせていく。幾つも痕をつけられて、腿の内側の柔らかな場所にまで紅の花が咲く。皇帝は自分の指をべろりと舐めると、私の後孔に触れた。指先がくちゅりと中に入り、体がびくんと跳ねる。
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