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Ⅵ.光
二か月が経ち、起き上がって動けるようになった頃、私はふっと体が楽になるのを感じた。それは今まで感じたことのない感覚だった。
――なに?
自分のどこにも、つながっているものがない。ぷつんと糸が切れたように、疲れも穢れも、何も自分の中に入ってこようとしない。弟から常に受け渡されていた負の力が、どこにも感じられなかった。
「どうして?」
呆然としたまま、一つの事実に行き当たる。考えるのも恐ろしいが、同時にそうだとしか思えない。私は窓から部屋の外を見た。空は晴れ渡り、風も穏やかだ。この窓からは見えないが、眼下の町を越え、草原を抜け、きらめく川の向こうにはきっと。
……きっと、ユーフラがある。
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