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第1話 プロローグ
「あ、これ異世界だわ」
転生したと気づいたのは5歳の誕生日の翌日。木から落ちパックリ割った額を医者に縫われているタイミングだった。
なんでも木登りの最中に弟に煽てられ、調子に乗って枝から手を離した俺はそのまま落ちたらしい。馬鹿かな? 馬鹿だわ。
麻酔してないんじゃないかってくらいの痛みに俺は暴れようとするが、華奢な女医に容易く抑えられる。
痛みは依然としてあったが、何処からその力は出てるんだという衝撃から最早抵抗する気力は失せていた。
「む……今日のタクン君は少し変ですね。いつもならもっと暴れてるのに今日はやけに大人しい……これではあまり痛がらせられない」
女医の呟きを聞き、俺はこの街にいる限り怪我は出来ないなと本能から察した。
いや、怪我をしても別の医者にかかれば良いとは思ったのだが、サディスト極まれりな発言とは裏腹に彼女がこの街で一番の名医らしい。
こりゃ絶対に怪我できん。
それはそうと、あんな華奢な腕でよく前世比わんぱく小僧の俺を抑えれたなと思い父に聞くと身体強化の魔法だそうだ。
へー、魔法か…………魔法!?
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