16歳

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 自分の歌声が低くて掠れてる事は分かってる。ちゃんと自覚してる。  それでも歌いたかった。大好きな曲だから、主旋律のソプラノを歌いたかった。  言うだけ言って先生はもう元の位置に戻っていて、私は変に張り詰めてしまった空気をどうにかする為に笑った。 「あはッ…アルトか…難しそうだなぁ」 「千歌‼︎こっち、隣来なよ」  未央ちゃんが手招きしてくれた。  そしてタイミング良くかずみんが前奏を弾き始め、みんなの視線が私から外れた。 ……ありがとう。
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