16歳

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 第二印象は「まあまあ良いじゃん」  何回か授業を受けて思った。楽しいって。  今はすっかり慣れっ子の"声出し"もインパクト強かったけど、"座学"も結構クセ(つよ)だ。 『これはテストに出します』  先生は必ず宣言するのだ。そして本当に言ったもの以外テストには出さない。 『これは余談だから適当に聞き流していいですけど…』  前置きもするのだ。  それに対して「じゃあ別に話さなくても良くね?」とヤンチャな生徒が軽口を叩いた、忘れもしないあの日…  無言と無表情の圧力プラス、錯覚で3D化した蠢くカケアミがクラス全員に襲い掛かってきた。 『まぁ…確かに、聞きたくもないでしょうね…私のつまらない話など…時間の無駄でしょうね…』  先生の言葉に被せてヤンチャ君はこう言った。 『先生…ごめん。俺、やっぱり聞きたいです』
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