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「えっ、じゃあ付き合ってるの!?」
「わかんない」
「は?」
ことあるごとに
佐藤くんには
好きと告白しているけれど
返事はいつも"ん"と短い返事だけで
OKなのかNOなのかはいつも不明なまま。
それでも
懲りずに私は
毎日猛アタックを繰り返す。
いつか佐藤くんが私に
振り向いてくれることだけを信じて。
「美雨ちゃん佐藤なんてやめて、俺にしたら?」
「と、東條くん!?」
私のことを
後ろから抱きしめながら
そうからかってくるのは同期の東條 樹。
私と楓ちゃん、東條くんと佐藤くんは
新人研修で知り合い意気投合してよく4人で行動している。
「俺なら美雨ちゃんのこと、今すぐにでも幸せにしてあげるよ?」
「も、もう、からかわないでよ!!」
「俺、本気だよ?」
「嘘だー!」
「東條いい加減にしないと、美雨からセクハラで訴えられるわよ」
「水野ちゃん、そこは援護射撃してくれないと」
たとえ
恋が報われなくても
こうして楽しい日々を
過ごしているから私は今、とても幸せだ。
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