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「……東條、いい加減離して仕事しろ」 自分のデスクへと 向かったはずの佐藤くんが なかなか仕事を 始めようとしない東條くんを迎えにやってきた。 「えー、もっと、美雨ちゃんを抱きしめてたいから代わりに俺の仕事もやってて」 私のことを 抱きしめたまま 私の頬に自分の頬を くっつけ頬ずりするように甘えてくる。 「ちょっ、東條くん!!」 「……アホか。さっさと戻って仕事するぞ」 強制的に 私から離された東條さんは 文句を言いながら佐藤くんに 引っ張られ自分のデスクへと連れて行かれた。 「佐藤は東條の世話係りね」 「あははは、たしかに。東條くんって、佐藤くんの言うことは聞くもんね」 楽しい 朝の時間は終わり 始業のチャイムが鳴り 皆、一斉に仕事へと取り掛かる。 私の席の対角線上に 佐藤くんのデスクがあるから 真剣な眼差しで仕事をこなす彼を ここからこっそりと見ることが密かな私の楽しみだったりする。 .
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