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……が、時にその楽しみが
私を苦しめることになることもある。
「美雨、お昼行かないの?」
「うん……。今日中にこれ仕上げないといけないんだけど、終わりそうになくて……」
「大丈夫、手伝おうか?」
「ううん、大丈夫。あと少しで終わりそうだから」
「そう?あんまり無理しないでね」
後ろ髪引かれるように
私のことを心配そうに見ながら
部署を後にする楓ちゃんを
見届けた私はすぐさま仕事へと取り掛かる。
昼休みで
皆、出払っていて
静かな部署内に
響くのはパソコンのキーを叩く音だけ。
……お腹、減ったな。
ついつい佐藤くんのことを
見すぎてしまい仕事に集中出来なかった私の自業自得だ……
我慢、我慢……
必死になり
仕事をしていると
スッと私の隣に飲み物と
サンドイッチが置かれ振り返るとそこには佐藤くんがいた。
「え、さ、佐藤くん?」
「さっき水野が三上が昼飯食べずに仕事してるって言ってたから。」
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