それは、つまり、そういうこと…

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 観念するしかないのかと、赤く火照る顔を誠司に向けた。 「……察しろよ」  顔は向けたけど、視線は恥ずかしさに彷徨わせてしまう。 「聞きたいなぁ」 「お、お、俺ばっかりずりぃ。ち、ちょっと、誠司っ」  ジャージの上着の裾から誠司の手が入り込んできて、慌てて服を下げる。  誠司の手が頬に触れて、背けていた顔を向き合わせられた。  誠司の顔が近づいて、ギュッと目を閉じると同時に暖かい感触が唇に触れて、離れた。  何度も触れてくる唇。 「ずっとさ、キス、したいと思ってたんだよね」  誠司は唇をあわせたまま喋る。 「…………俺……初めて」  告げるために開いた唇の隙間から舌が入り込んできて、熱い口内を弄る。 「……んっ……ふっ」  ジャージを掴んでいた両手を誠司の首に巻きつけた。  正面から抱き合うのは初めてで、いつもロッカーに縋っていた手の行き場に戸惑いながら、目の前の誠司に縋ってしまった。  引き寄せたわけでもないのに、口付けは深くなって、息苦しさに誠司の背中を叩くと、誠司が唇を離した。 「平良。いいよね?」
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