誕生日にはサプライズ(最終章)

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「オレって、自分から貧乏くじを引くタイプなんだよな。  結局、豊崎(とよさき)先輩が一番の勝ち組かもしれんな」  テレビで事件のことを見た豊崎グループ長が、心配して和田さんに電話をかけてくれたそうだ。  豊崎グループ長は退職されてから、実家のリンゴ農園で元気に働いていると聞いて、私たちは安心する。 「豊崎先輩、リンゴ農園を手伝いに来てくれてた農業大学の女子大生と来年結婚するんだって」  和田さんが言ったことに、真雪くんも私もひっくり返るくらいビックリした。  結婚のお祝いを贈ったら、お返しの品と共に、満面の笑顔で寄り添っている豊崎グループ長と、素朴そうな可愛いお嫁さんの写真も入っていた。  『大変だろうけど、(くれない)と白河なら必ず乗り越えられる、ガンバレ!』とのメッセージに、真雪くんと一緒に微笑みあう。 「……オレも結婚しようかなぁ」 「晃平(こうへい)さんは、チャラそうに見えて、本当にチャラいところがダメなんじゃないですか?   もう30代なんだから、いい加減落ち着きなよ」  豊崎グループ長の写真を見ながらつぶやいた和田さんに、真雪くんが(さと)すように肩をポンポンと叩く。 「うっせぇ、桃ちゃんのストーカーめ」  わちゃわちゃしている2人を見ると、こんなに仲良くなるとは思わなかったと不思議な気もする。
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