二日酔いの朝は溺愛の始まり

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 冷房が効いた部屋で寝てるってことは……。  無事に帰ってきたんだよね、たぶん。  スマホはバッグの中かなぁ?  ……ん? ちょっと待てよ、この感じ……。  結局探し物は見つからず、お酒の残ったダルい身体は、力尽きたように探す手を止める。  そして、シーツが直接肌に触れている違和感に気づいた。    やばっ。  私、裸で寝てる?    普段は、パジャマに着替えて寝るのに、何も着ないでベッドに入るなんて変じゃない?  それに今寝ているベッドは、自分のものと寝心地が違う。  何かがおかしいと、さすがにパチッと目が開く。  うつぶせの状態から、肘をついて上半身を起こして見えた景色は、素敵なモノトーン調の家具で統一された、まったく知らない部屋の中だった。  いつも適度に散らかっている私の部屋とは違い、きれいに整頓されている。 「……どこ?」  思わずかすれた声でつぶやいて、ふと視線を移すと、同じベッドに片肘(かたひじ)をついて横たわり、私を見ている人と目が合った。  えっ?
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