初めての新人指導は驚きの連続

15/22

80人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
 これまで私の説明を聞きながら、返事をするだけだった白河君から質問!  よし、何でも答えるぞ。 「うん、なぁに? 何でも聞いて」  私はちゃんと聞いていてくれたんだと嬉しくなりながら、笑顔で問い直した。 「(くれない)先輩は、その無糖のストレートティーが好きなんですか?」 「……はい?」    メガネの太いフレームを指で上げながら、チラリとレンズを光らせて白河君が尋ねた。  どうやら、私が今飲んだペットボトルのお茶のことを聞いているらしい。 「えっと、うん、そうだね。 よく買うけど」  てっきり仕事のことを聞かれると思ってたのに、予想外過ぎる質問で、思わず首が横に傾いてしまう。 「そうなんですね。 覚えておきます」  白河君は満足気に口角を上げ、白くてキレイに並んだ歯をチラリと見せた。  お願いだから、私のお茶の好みより、仕事を覚えてちょうだいねっ。 
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加