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これまで私の説明を聞きながら、返事をするだけだった白河君から質問!
よし、何でも答えるぞ。
「うん、なぁに? 何でも聞いて」
私はちゃんと聞いていてくれたんだと嬉しくなりながら、笑顔で問い直した。
「紅先輩は、その無糖のストレートティーが好きなんですか?」
「……はい?」
メガネの太いフレームを指で上げながら、チラリとレンズを光らせて白河君が尋ねた。
どうやら、私が今飲んだペットボトルのお茶のことを聞いているらしい。
「えっと、うん、そうだね。 よく買うけど」
てっきり仕事のことを聞かれると思ってたのに、予想外過ぎる質問で、思わず首が横に傾いてしまう。
「そうなんですね。 覚えておきます」
白河君は満足気に口角を上げ、白くてキレイに並んだ歯をチラリと見せた。
お願いだから、私のお茶の好みより、仕事を覚えてちょうだいねっ。
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