初めての新人指導は驚きの連続

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 人に仕事を教えるのって、結構気を遣う。  ずっと社内にいたのに、少し汗ばんでしまった。  羽織っていたジャケットを脱いで、自分の椅子にかける。  あー、早く脱いでおけばよかった。  ブラウスだけになると、だいぶ涼しいな。  胸を気にして、少々暑くてもジャケットを着ていることが多いけど、やっぱりこんなに暑かったら熱中症になっちゃいそう。    無意識にブラウスの胸元をつまんで、パタパタと風を送っていたら、白河君が、いつのまにかうっすらと口を開けて、こちらを見ていた。 「あ、ごめんごめん。   何かわからないことあった?」  白河君には、午後からの外回り営業で行く予定の、お客様の基本情報を見てもらっているけど、今日は初同行(どうこう)だから、白河君はご挨拶程度でいい。 「いえ、大丈夫です。  一応、(くれない)先輩がくださった情報と、お客様の会社ホームページと特売チラシ、SNSの書き込みと、お客様の競合(きょうごう)店舗の本日のチラシまでは調べました」 「えっ? そこまで?」  私が指示したこと以上に、白河君がお客様情報を詳しく調べていてビックリした
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