81人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
人に仕事を教えるのって、結構気を遣う。
ずっと社内にいたのに、少し汗ばんでしまった。
羽織っていたジャケットを脱いで、自分の椅子にかける。
あー、早く脱いでおけばよかった。
ブラウスだけになると、だいぶ涼しいな。
胸を気にして、少々暑くてもジャケットを着ていることが多いけど、やっぱりこんなに暑かったら熱中症になっちゃいそう。
無意識にブラウスの胸元をつまんで、パタパタと風を送っていたら、白河君が、いつのまにかうっすらと口を開けて、こちらを見ていた。
「あ、ごめんごめん。
何かわからないことあった?」
白河君には、午後からの外回り営業で行く予定の、お客様の基本情報を見てもらっているけど、今日は初同行だから、白河君はご挨拶程度でいい。
「いえ、大丈夫です。
一応、紅先輩がくださった情報と、お客様の会社ホームページと特売チラシ、SNSの書き込みと、お客様の競合店舗の本日のチラシまでは調べました」
「えっ? そこまで?」
私が指示したこと以上に、白河君がお客様情報を詳しく調べていてビックリした
最初のコメントを投稿しよう!