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白河君は一瞬きれいな瞳を閉じたが、意を決したようにまたすぐに開けた。
そして、私が言ったとおりに、口を開いて目に力を入れる。
だけど笑顔というより、ヤンキーがガン飛ばして睨みつけているみたいになっちゃった。
「え、えーっと。
そうだな……。
白河君って、好きな人とか彼女とかいる?
その人を……」
「好きな人はいますが、彼女はいません」
私の話をさえぎって、今までにないくらいの大きな声で白河君が言い放つ。
周りで仕事している先輩から、パソコン越しに見られてしまった。
「あ、そ、そうなんだ?」
これまで小さい声だったのに、いきなり大きな声で業務外のことを言うからちょっと焦った。
「じゃあ、その好きな人に向かって、好きな気持ちを出すみたいな感じで笑ってみるとかは?
リラックスして、目の力を抜くっていうか、微笑む感じで」
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