二日酔いの朝は溺愛の始まり

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 再び周囲を見渡せば、グレーの幾何学(きかがく)模様が入った特徴的なアクセントクロスや、天然木の枠がはめ込まれたおしゃれなシーリングライトは、私の住むマンションの部屋と同じだった。  だけど、部屋の広さはこっちの方が断然広いし、シンプルでかっこいいデザインの家具は、男性の部屋って感じがする。  もしかして、ここって白河君()?  だとしても、会社の後輩で、私が教育係を務める新人の白河(しらかわ) 真雪(まゆき)君が、パンツさえ履いていない私の横で寝そべっているのは、どういう状況?    考えながらギュッと毛布を(つか)んで、上も下も完全に身体をくるんで隠した。  あぁ……。  全っ然、覚えてないけど、彼氏に会えない欲求不満で、嫌がる新人クンを(おそ)っちゃった?    いやいや、いくらなんでも、私がそういうことをするはずない。  どちらかと言うと、男女の……そういう行為とか、苦手だし。  いや、だけどこの状況は、もしかして事後(じご)?  最悪のことを想像するが、頭も痛いし考えがまとまらない。
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