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「わっ、そうなんだ。 割と渋いねぇ、桃花ちゃんの趣味」
「リーダーって誰ですか?」
これまで雑談は聞くだけだった白河君が、また笑顔を無表情に変えて、話に割って入った。
白河君っ、笑顔忘れてるよっ。
私は心の中で叫びながら、白河君がつられて笑うように、最上級の笑顔を作りながらパネルを指さす。
「……」
白河君はじっとパネルを見ると、きれいな口元をギュッと結んで何も言わなくなった。
ーーーー
まるはなストアを出て、もう1件商品セールの打ち合わせに寄ってから会社に戻る。
次の所でも、白河君は千田さんにしたみたいに、お手本通りの挨拶をした。
白河君って、案外ちゃんとできる子かも。
「白河君、大丈夫? 疲れてない?」
「大丈夫です。 紅先輩こそお疲れじゃないですか?」
「ありがとう、全然平気だよ。
でもちょっと涼んでから会社に帰ろうか」
白河君も初めての外回りで緊張しただろうし、何より今日は気温が高くて、暑過ぎる。
会社に戻る前にちょっと休憩するため、チェーン店のカフェに入った。
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