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私はカフェの座席を先に確保して座り、白河君はレジ横で注文したアイスコーヒーができるのを待ってくれている。
少し離れて白河君を見ていると、ただ立ってるだけなのに、憂いを含んだような気品が溢れている様子は、やっぱり王子様みたいなイケメンだと思った。
白河君って大きな会社の創業者会長の孫だし、上流階級育ちなんだろうな。
もしかして、どこかのお嬢様の婚約者とかいたりして。
白河君、好きな人がいるって言ってたけど、どんな人が好きなんだろう?
やっぱり長身でスタイルのいい美人さんとか、可愛くておっとりしたお嬢様タイプの女の子とか?
間違っても、身長差がありすぎてバランスの取れない、ちんちくりんな私は王子様には選ばれないだろうな。
って、私には今彼氏がいるのに、白河君の好みに選ばれなくてもいいんだってば……。
「紅先輩って、ああいうのがタイプなんですか?」
アイスコーヒーを乗せたトレイを持ってきた白河君は、私の前に座りながらちょっと細めた目を私に向ける。
「えっ? 何の話?」
少し怒っているような白河君に、勝手な想像をしていたのを咎められたみたいでちょっとドキッとした。
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