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「まるはなストアの千田さんに、z;aのリーダーが落ち着いた感じで好きって答えてました」
あぁ、あれか。
「いや、別に本当はそんなにファンってわけでもないんだけど、お客様に聞かれたら、やっぱり何か答えないといけないでしょ?」
運んでくれた白河君にお礼を言ってから、紙ストローを使わずコップに直接口をつけて飲む。
こうやって飲むとリップがちょっととれちゃうけど、紙ストローは苦手だ。
「そうなんですね。 よかった」
また、フワッと笑う白河君に、ゴクリと音を立ててアイスコーヒーを飲みこんだ。
ん? よかったって、どういう意味だろう。
白河君が言う事って、たまに意味がわからない。
ーーーー
カフェを出て白河君と会社に戻ると、商品開発チームと製品の打ち合わせや、販促品の会議などであっという間に、退社の時間になった。
「紅、ちょっと」
白河君に、明日の予定を説明していると、上司の豊崎グループ長から呼びかけられる。
「白河は、もう帰していいから。
仕事が終わったら紅だけちょっと残って。
すぐ終わるから」
めずらしく何か残業かな? なんだろう?
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