身長差38センチもある後輩・白河真雪くんが隙あらば過保護に溺愛してきます

イケメン度爆上がりの新人は笑顔が苦手

「正直言いますと……ちょっと変わったところはありますが、素直で仕事の覚えも早いと思います。
　社外ではきちんと笑顔で挨拶もできてましたし、指摘したことはすぐに直してくれて、指導した事の先まで考えてるし、新卒新人じゃないみたいです」

　私もペットボトルを開けて一口飲む。

　白河君は午前中に説明したことを、ちゃんと細かいことまで覚えていて、営業に同行してもらった時も、午後の会議の時も配属初日とは思えないほどサポートしてくれた。

「先月までいた製造管理部の話では、白河のアイデアで器具の改良をして、製造ライン上で無駄な手間がはぶけたみたいでさ。
　機械の構造をすぐに覚えて、その弱点と改善点をすぐにまとめてきたらしい」

　へぇ、すごい。
　私も、新人の時に工場研修に行ったけど、仕事を覚えるのに必死で、機械がどうなってるのかなんてまで、説明されても頭に入らなかったのに。

「その上、社長や専務たちが白河会長の孫だからって製造部に見に来たらしくて、『コネ入社』だってイヤミを言われたり、仕事が出来すぎるから妬(ねた)まれることもあったみたいなんだ」

　苦い顔をしながら、豊崎グループ長は炭酸をゴクリと飲んだ。