二日酔いの朝は溺愛の始まり

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「あの、白河クン? この状況、説明してほしいんだけど……。  実は昨日のこと、途中から覚えてなくて……。  そもそも、ここはどこなの?」  一旦深呼吸して、ようやく白河君へ尋ねることができた。  自分だけ裸という、なんとも居心地の悪い格好が心細く、トロリとした触り心地のゆったりとした毛布を、更にじわじわと身体に巻き付ける。    隣に座ったまま、かけた毛布を私に奪われていく白河君は、いつもの無表情で淡々と口を開いた。 「ここは俺の部屋で、昨日の歓迎会で飲み過ぎた桃花は、二次会で体調を崩したから帰ってきたんだよ。  飲もうとしたコップの水をこぼして服が濡れたから、俺が全部脱がせて身体を拭いて……」  意味ありげに言葉をためた白河君は、めずらしく顔をほころばせる。 「俺たち付き合うことになったんだ」
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