蝶になった白河君と飲み過ぎた歓迎会

10/31
前へ
/84ページ
次へ
(くれない)先輩、いろいろ取ってきたから一緒に食べませんか?」    ビュッフェの料理を持って来てくれた白河君が、きれいに盛り付けた皿を私に差し出した。 「ありがとう、白河君」  さすが、白河君は気が()くな。  だけど歓迎会の主役に、気を遣わせちゃった。 「でも大丈夫、私幹事だから。  白河君がたくさん食べて飲んでね。  私もみんなが席を立たなくていいように、料理をとりに行こうかな」  ビュッフェコーナーの方へ目をやると、何人かの同僚が楽しそうに料理を選んでいるのが見える。    そっか、ビュッフェだし、食べるものを選ぶのも楽しみだよね。  せっかく白河君が料理とって来てくれたし、私もちょっと食べてから動くか。 「やっぱり、先に白河君がとって来てくれたの、頂こうかな。  盛り付け、きれいだね! 一緒に食べよ」  白河君から皿を受け取ってテーブルに置くと、嬉しそうに顔をほころばせて、私の椅子を引いてくれた。 「白河君と、(くれない)さんってさ、身長差がすごいよな」  私が椅子に腰かけると、その隣に白河君も座り、ずっと私たちの様子を見ていたひとつ後輩の畑田(はただ)君が話しかけてくる。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加