89人が本棚に入れています
本棚に追加
「ハハハ、冗談だよ、白河君。
ほらほら、スマーイル。イケメンが怒ると怖いんだから、睨むな睨むな」
畑田君は、ちょっと引きつったように笑いながら、白河君をなだめた。
白河君はわざわざ畑田君の隣に座り直して、切々と私の背の高さがどれほど可愛いかと説明している。
「いいですか、畑田先輩。
紅先輩を俺の目線から見ると、上目遣いの角度が完璧なんです。それに身長に対してバランスのとれた頭部の大きさで、どう見ても小学生みたいではないです。それから……」
お喋りなはずの畑田君は、これまでほとんど話したことがない白河君が、きれいな無表情で饒舌に話すから、圧倒されているみたい。
「はい、スミマセンでした」
まるで怒られているみたいに、畑田君は相づちを打っている。
その様子もおかしくて、みんな笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!