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「社長になれるかはわかりませんけど、紅先輩の上司にはなりたいと思っています」
「ぶはっ」
思わず飲んでいたビールを吹いてこぼしてしまった。
みんなは白河君の言葉に、更に盛り上がる。
「やだ、紅ちゃんの上司になりたいだなんてぇ。
白河くんってなんかエローい!」
話題の中心の白河君は周りの騒ぎも気にせず、おしぼりで私のこぼしてしまったビールを拭いてくれている。
私のジャケットに付いてしまったビールを、丁寧に叩いて拭きながら、私にだけ聞こえるような低い小声でささやいた。
「だって、そうなったら紅先輩に、上司命令できるでしょ?」
イケメンボイスを耳元に吹きかけられ、私の顔はお酒のせいだけじゃなく、いつも以上に赤くなる。
な、なんの上司命令するつもりなのよぉ。
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