94人が本棚に入れています
本棚に追加
「紅先輩、大丈夫ですか?」
近寄ってきた白河君は背の低い私に目線を合わせように、かがんで話しかけた。
スッときれいな線を描いた眉の下に、少しタレ目気味の瞳。
近くで見ると、まつ毛が長くて、上品さがある目元をしている。
口角がキュッと締まった唇は形が良くて、通った高い鼻筋とのバランスが完璧。
やっぱ、白河君ってイケメンだわぁ。
「紅先輩?」
ボンヤリと白河君の顔を見ていると、心配そうに眉をひそめられた。
「あっ、大丈夫! 大丈夫!
私、結構お酒強いから。
白河君こそ、かなり飲まされてなかった?」
私は慌てて両手を振って、白河君に見とれていたことをごまかした。
「俺も大丈夫です」
「へ、へぇー。 白河君って、お酒強いんだね」
実は酔っぱらって、ふわふわと浮いてる感じがしている頭の中だけど、シャキッとしているように見せかける。
私は白河君の教育係だし。
歓迎会なのに、先輩として酔いつぶれるなんて出来ないもんね。
「こらぁ、そこの紅白コンビぃ! なにイチャイチャしてんのーっ」
酔っぱらった先輩が、路上なのに大声で叫んだ。
「イチャイチャなんてしてませんよーっ」
恥ずかしいから叫ばないで欲しいと、心の中ではちょっと困りながらも大きな声で返す。
最初のコメントを投稿しよう!