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俺は桃花の彼氏になりたい
ーー白河 真雪sideーー
俺の歓迎会で飲み過ぎてしまった桃花は、二次会で酔いつぶれてトイレからなかなか出てこなかった。
なんでもロングアイランドアイスティーを3杯も飲んだらしい。
あれはレディキラーカクテルと言って、飲みやすいけれどアルコール度数がかなり高く、いつのまにか酔っぱらってしまうというシロモノ。
大学の同期でカクテルマニアの友人がいて、『女を酔わせたい時はコレ』だとゲスな顔をして笑っていたのを思い出した。
こんなことなら、無理にでも一次会で帰ってしまえばよかったと後悔する。
女性用トイレの前で、俺が入っていいものか、やはりダメだろうかと、ヤキモキしながら待っていると、『Lady』と書かれたドアが開く。
「大丈夫ですか?
紅先輩、家どこですか? 俺が送ります」
「あ、すみません……」
フラリとよろけた桃花を抱きとめて、帰ることを告げると、俺の腕の中でコクンと頷いた。
「紅ちゃん、大丈夫ー?」
トイレだと言って、なかなか戻って来ない桃花を心配して、女性の先輩たちも来てくれる。
「あ、おジャマだったかしらね」
だけど、俺がしっかりと桃花の身体を支えているのを見て、すぐに出て行った。
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