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「先輩方、俺はこれで失礼します」
俺に抱きついたまま、眠ってしまった桃花をかかえて、ダラダラと酔っぱらっている先輩たちに一応挨拶する。
桃花が挨拶は大事だと言っていたからな。
「白河君、紅ちゃんをお持ち帰りー?」
「来週、どんなだったか教えろよぉ。このエロ新人ー」
わぁわぁと盛り上がっているのを無視して、可愛い寝顔を見せている桃花にだけ集中してダーツバーを出た。
タクシーで、とりあえず俺のマンションに向かう。
お持ち帰りって言ったって、こんなにフラフラ状態の桃花に手を出すなんて……、いいのか?
いや、ダメだろう。 我慢我慢。
タクシーの中で、座ったまま寝息を立てている桃花も可愛い。
カーブで大きく揺られて、車の窓ガラスに頭をぶつけそうになった桃花を慌てて引き寄せると、桃花はそのままコトンと横になり、俺の膝で眠り始めた。
「うーん……」
色っぽい声を出して、寝返りを打つように顔を上に向けた桃花は、うっすらと目を開けた。
「大丈夫ですか? 紅先輩」
俺はなんとか桃花の頭の下のモノが、元気にならないように自制しながら、桃花の髪を愛おしく撫でる。
「あぁ……、駿哉さんより白河君の方が……」
……駿哉さんて誰だよ。
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