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「紅先輩、そいつとはもう会ってはダメです。
桃花のことを弄ぶなんてクソ野郎だ。
俺が彼氏になりますから!」
途中でつい『桃花』と呼んでしまった。
桃花は大きな潤んだ瞳でボンヤリと俺を見つめ、涙を拭いている両手を頬の横で止める。
キュートなポーズに、思わずキュンとした。
何やっても可愛いな……。
「俺は紅先輩からの連絡には即返信しますし、紅先輩が行きたいところに連れて行きます。
紅先輩がデートしたいときに俺が予定を合わせて、エッチしても帰しませんから」
桃花の手を包み込むように触れる。
手も小さくて愛らしい。
「それじゃあ……白河君が私の彼氏みたい」
俺の膝の上で、ふわりと微笑んだ桃花は、極上に可憐で息が苦しくなるくらいに胸がドキドキした。
「そうです、紅先輩……」
ゴクンと息を飲んで、瞼を閉じかけている桃花を見る。
「俺、……ずっと桃花が好きなんだ。
桃花の彼氏になりたい」
息をつめて、桃花の返事を待った。
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