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 翌朝、匡久が起きると、巧はすでにシャワーを浴びた後で、濡れた髪を乾かしていた。 「おはよう」  匡久の言葉に、ぷいと目を逸らす。  巧が食卓についてトーストを食べたことに、匡久はほっとした。  だが、やはり眼を合わせず、匡久を無視する。  そして、普段より長く母親の仏壇の前に座ってから、 「行ってきます、お母さん」  と言って、いつもより早く一人で家を出て行った。
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