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 お風呂を済ませた巧は、パジャマを着て部屋に上がった。  買ってもらったばかりの文庫本を、カサカサと音を立てて茶色い紙袋から取り出す。  ベッドに寝転び、数ページほど本を読んでみる。思ったより理解できそうだ。  静謐な文体だなぁ、と思い、その本が気に入った。  そしてまた白い表紙をまじまじと見てから、大切にその本をカバンに入れた。
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