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 日曜日、昼食を済ませてから、巧はずっとダイニングで時間を持て余していた。  久しぶりにリュウが来ると思うと、何だか『ワーフェア』も手につかない。  もちろん、試験勉強なんてする気にもならない。  お菓子とコーラは用意した。リュウはコーラが好きなのだ。  グラスもお客さん用のを二つ、ちゃんと磨いてあるし、お盆も出して拭いた。  落ち着かないので、巧は見るともなく、居間の大きなテレビで奏がやっている『ワーフェア16』の画面を見ている。  居間で新聞を読んでいる父は渋い顔だ。 「君たち、試験勉強をしようって気にはならないの?」  と問われるが、なるわけがない。  ついに一時ちょうど、インターフォンのチャイムの音がした。  モニターを見もせずに、巧は玄関に走り、ドアを開けた。 「リュウ、久しぶり!」 「お、おお」リュウは少し驚いた顔をする。 「上がって、上がって。お父さんも奏くんもいるんだよ」  リュウが靴を脱ぐのを待って、巧はリュウを居間に引っ張っていく。 「お邪魔します」  と、リュウは、かしこまって父と奏に頭を下げた。  父は微笑んで、 「リュウくん、少し見ない間に大人びたなぁ」  と言う。  奏も「久しぶりだね」と笑った。  小学生の頃から、中学までよく遊びに来ていたリュウのことは、父も奏もよく知っている。  それに奏が中三の時には、リュウも奏も巧も生徒会役員で、よくいろんな話をしていた。 「部屋に行こうよ。お菓子持ってくれる? コーラ買っといたんだ」  巧はリュウをダイニングに連れて行き、いくつかの袋菓子を押し付けて、自分はコーラのボトルとグラスを置いたお盆を持った。  二階に行こうとすると、 「ごゆっくり」  と父と奏が笑って言った。
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