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あとがき
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
本作は、去年執筆した芥川龍之介のパロディ短編『芥川Show!』の太宰治版として企画、執筆致しました。
文豪シリーズ第二弾、と言えるかもしれません。
こちらも、『芥川show』同様WEB文字書きサークル内でのコンテスト参加作品となっており、自分の得意分野であること、「なるべく平明な文章」であること、そして2万文字以内と言う制約がありました。太宰治をネタにするにはぴったりです。
ただ今回は、私事ながら仕事その他で執筆に割ける時間が限られておりました。そうした中で下した苦渋の決断が、連作短編集と言う形でした。
そもそも私は太宰治にハマって文学の沼に引き摺り込まれたのであり、私の作品は程度の差こそあれ、確実に太宰治の影響下にあります。今回はそんな中でも、自作内で明らかに太宰を意識した短編をセレクトしました。
しかしここで問題が起きました。「ただ発表済みの短編を並べるだけでは怒られる」これは間違い無い。なので、それぞれ繋がりのある作品にしようと考えました。
そこで頭に浮かんだのが、映画『市民ケーン』方式です。
『市民ケーン』は、戦前の映画ながら現在でもアメリカ映画史上最高の作品と称賛されている名作です。あらすじとしては、新聞王ケーンが急死する際「バラのつぼみ」と言う言葉を残したのですが、その意味を探るべくニュース映画の記者が関係者にあたって行き、ケーンの生涯を追体験していく物語です。
この方式に『人間失格』と、『津軽』を混ぜ込んでしまえばどうにかなるな。と思い、ギリギリの中ではありましたが執筆に着手しました。
また、この方式にした理由の1つには、先のコンテストで没にした『人間失格』のパロディ短編があり、(『ニンゲン、欠格』)せっかく短編が有るんだから使いたいなと思ったからです。ありモノを強引に捩じ込んで、後付けでストーリーをでっち上げるのも、最近私の得意分野になってきたかもしれません。
長々とお付き合い頂き、ありがとうございます。太宰治の直下100メートルにも及ばぬ乱文でしたが、本物の太宰治文学は素晴らしいです。
ぜひこの機会にお読みくださいまし。
絶望するな。では、失敬。
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