第2章ーわがまま淑女に御用心ー

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早朝、けたたましい目覚まし時計の音でミアは目を覚ました。 目を開けボヤけた視界を向ければ、時計の針は六時半を指していた。 疑問が過ったが、今日から学校だったと思い出し無理矢理に体を起こす。 寝ぼけ眼を擦りながら階段を下へ降りると、その光景に立ち止まった。 スタンが廊下の拭き掃除をしている。 スタンはこちらに気が付くと、「起きたか。おはよう」と微笑んでくる。 「おはよう。お兄ちゃん、こんな朝早くから掃除?」 「あぁ、仕事の出勤時間が早くてな。ミアが学校に行く前には家を出るから、早めに爺ちゃんの手伝いを済ませておこうと」 「え?そうなの?」 「言ってなかったか?」 「聞いてない」とミアは頬を膨らませる。 スタンは戸惑い、「すまん」と項垂れた。 「今日も遅くなるの?」 「分からん」 「え、じゃあまた夜は外?」 「いや、今日は家で食べるつもりだ」 ミアは目を細めてスタンを見やる。 「昨日だって、色々話したかったのに。結局外で食べてくるって、、、」 視線が痛く感じて、スタンはまた「すまん」と言う。 「昨日はギルドの親睦会だったんだ。今日はなるべく早く帰るようにする」 「約束だからね?」 「あぁ、約束だ」 ミアは細めていた目を大きくして腕組みをし、「ならば良し」と低い声音で言った。 「何だそれは?」 「お兄ちゃんの真似」 「似てるか?」 「似てない?」 スタンは腕組みをして、「自分じゃ分からん」と答えた。 すると、「凄く似てたよ」と笑い声混じりにロイが階段を降りてきていた。 二人はロイを見上げ、その後ろに誰も居ないので小さく笑う。 「起きなかった?おじ様」 「ダメだね。飲み過ぎで二日酔いだ」 ミアとロイのそれにスタンは溜め息。 「今日はミアの二学期のスタートだから朝食は皆でと言ったのはあいつだぞ?」 スタンが言えば、ロイは苦笑いで「本当にねぇ」と答える。 するとミアが腕組みをして、階段の上を指差す。 「良し、お兄ちゃん。叩き起こして来て」 「承知した」 階段を上がろうとするので、「コラコラ」とロイが止める。 「寝かせてあげなさい。坊っちゃんも今日は色々と仕事が忙しくなるみたいだしね」 「お祖父ちゃんが言うなら、そうする」とミア。 スタンが「しかし」と眉を寄せるので、「良いよ。お兄ちゃん」とミアは続ける。 「二学期だし、昨日本当は忙しいのに色々してもらったし」 「、、、そうか?」 「うん。次も同じことしたら叩き起こしてもらうかもだけど」 悪戯っぽく言うので、スタンも「その時は任せておけ」と笑んだ。 ロイも二人のやり取りに「フフフ」と笑い、「さぁ、朝ご飯にしようか」と食卓へ向かった。
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