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電話が鳴った。
「はい、お電話ありがとうございます。こちら未来です」
「すみません、Kと申します」
「K様ですね。どうなさいましたか?」
「明日、俺はどうなりますか?」
「知りません」
電話を切った。自宅のインターフォンが鳴った。玄関へ向かい、ドアを開けた。Kがいた。
「何だよ、今の?」
「何だよって何だよ」
「ちゃんと答えろよ。お前は未来だろ?」
「未来だな」
「未来ならちゃんと答えろよ。明日俺はどうなるんだよ」
「知らねえよ。てか、もっと訊くことあるだろうが」
「十年二十年先のこと知ったところで意味ねえよ。もっと近い未来が知りたいんだよ、俺は」
「それくらい近い未来、自分で何とかしろよ」
「冷たいな」
「そりゃ、そうだろ。僕は未来のお前なんだから」
「未来の俺なら、冷たいはずがないだろ?」
「冷たいですよ」
「何でだよ」
「 」死んでいるからね
僕が何か言葉を発したが、ノイズが酷くて聞き取れなかった。そこで映像は終わっていた。
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