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真っ白な天井だった。刺すような薬品の匂いがした。
「目が覚めましたか?」誰かが言った。声だけが聞こえる。姿は見えない。
「はい」
「気分はどうですか?」
「良くはないです」
「それで普通です」
「そうなんですか」
ため息が零れた。瞼がとても重たい。僕は目を閉じた。声が聞こえてくる。
「もしもし、大丈夫ですか? もしもし」
体を揺すられる。声が次第に大きくなる。
「大丈夫ですか。もしもし、もしもし」
僕は目をあけない。だって、
死んでいるからね
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