プロローグ 結婚

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「おい、アホの子。開いた口が塞がらなくなって、アホさに磨きがかかってんぞ」 「うるさい、インドアゴリラ。真面目な顔すると、顔の厳つさに拍車がかかるぞ」 「誰が顔の厳つさだけが売りのゴリラだっ! 喧嘩売るなら買うぞ、てめぇっ!」 「残念でしたーっ! 先に喧嘩売ったのはそっちでーすっ、買ったのは俺でーすっ」 「誰がアホの子じゃボケッ」と怒鳴り返して、サッと拓弥の後ろに隠れる。途端、「あっ、てめっ、タクを盾にすんなっ! 卑怯だぞっ」と優作が声を荒げる。  へっ、こっちだって毎度毎度、お前に技かけられてばかりじゃねぇんですよーだっ。  ざまぁみさらせ。 「べぇー」と顔だけ出して優作に向けて舌を出せば、「子どもみたいな喧嘩しないっ」と拓弥が呆れたように言った。  そんな年不相応のやり取りをする俺達を、たかのっぽくんがオロオロとしながら見守る。 (そういえば、拓弥って、俺達の中で唯一の結婚経験者だったな)
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