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『社会人バンド』。
その名の通り、社会人で形成されたバンドの事である。社会で働きながらバンドをする人達によるバンドの事を、世間ではそんな風に呼ぶ。
俺、優作、拓弥の3人は、かつてここに、もう1人の幼馴染を加えた4人でバンドをしていた。
いつかビックになろうと、そう約束し、本気でプロになるためにがむしゃらにバンドをしていたのである。
しかし、結局その夢は現実の厳しさを前に潰え、俺達3人は音楽を辞めてしまった。
残った1人は音楽の道を進んだが、俺達はその後を追えなかった。
それでも、音楽への憧れや好きといった気持ちそのものを消す事は、どうしてもできなくて……。
そんな俺達が最終的に行きついたもの、それが『社会人バンド』だった。
社会人として働きながらバンドをする。別にCDを出そうとか、ライブをしようとか、そんな考えは一切ない。たまーに動画投稿をしたりする事はあるけど、それもまぁ、ただ活動するよりは覇気があるからというだけで、売れたいという思惑はない。
ただただバンドがしたいからバンドをする。
それが、俺達が行きついたバンドの……、正確には社会人バンド・Herecのあり方であった。
「でもさ、確か今って春休み期間だったよね。長期休みなのに、学校に子どもって居るものなの?」
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