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第19話 三人でする
「なに、ここ!! すっごい、スカイツリーみたいだよ」
「ここに住むのはどうかしら?」
部屋に入り、窓からの夜景を見てはしゃぐ舞美に麗子が声をかけた。麗子さえよければ俺に異論はない。舞美の居住が確保されるだけでも俺は安心できる。
「無理だよ~ こんなすごい所、どれだけバイトしても部屋代を払えないもん」
「そうね、いくらって決めなくていいわ。舞美ちゃんがアルバイトをして、欲しい物があったら使ってもいいから、その月に残ったお金を、自分の貯金と直さんへの返済、それと私への部屋代で三等分しましょ」
「麗子、それいいな! 舞美、それでやってみようよ」
麗子の提案に俺も賛成した。
「それだと少ししか渡せないけれど、本当にいいの? 麗子さん損しちゃうよ?」
「そんなことないわよ。毎日、舞美ちゃんの笑顔と元気を貰えたら、私のほうが得しちゃいそう」
麗子の目は、駅前で見せた冷ややかな目とはまるで別人。
まるで娘を見守る母親。本当に優しい目をしてる。
「舞美、お風呂を借りてすっきりしておいで。今日はお前の歓迎会だ」
舞美が風呂から上がるのを待ち、俺と麗子はビール、舞美はジュースを飲みながら談笑した。
「直ちゃん、今日は一緒に寝てもいい?」
俺は無職だからいいけれど、麗子と舞美は明日も仕事だから、ほどほどでお開きにしようとすると舞美が甘えてきた。1か月間とはいえ、きっと心細くて寂しかったに違いない。
「舞美ちゃん、寂しかったんだね。直さん、今日は添い寝してあげたら。私も一緒に寝ようかな」
「そうだな。三人で寝ようか」
麗子もどうやら俺と同じ気持ちだったらしい。俺は川の字で寝るようなイメージだったのだが、舞美からは予想外の言葉が返ってきた。
「うん、嬉しい! 三人でする?」
「三人で?」 「する?」
俺と麗子は思わず顔を見合わせてしまったが、一瞬の静寂の後、妖艶な微笑みで麗子が言った。
「えぇ...三人でするの」
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