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バロンもセツナと同じく、この島でただ1人の黒魔道士と呼ばれる存在である。
「セツナ・・、逃げて・・」
セツナに抱きかかえられたシルエットがもうろうとする意識の中で言葉を発する。
「もう遅いのだよ、セツナ。お前の奥方の魂はじきに8年前にとばされる・・」
「シルエットに何をした・・!」
人々が避難した市場は静寂に包まれていた。
「私の理想の魔法の完成には良質な悪魔の心臓と魂が必要だ・・。たが、お前の奥方の悪魔としての力はなぜかとても弱い。ならば、その力が全盛期の時代の心臓とそれにひってきする魔力を持ったこの時代の魂を材料にすればよいこと」
バロンが杖を振りかざすと扉が現れる。
「時空の扉はお前にも開けるが、白魔法は黒魔法に勝てないという事を忘れるでないぞ」
扉が開くとバロンの姿は消えていった。
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