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「はっ?どうして私が嘘をつく必要があるんです。これでもこの学園で講師をしてるんですよ。そんな嘘をついて女子生徒に近づくはずがないじゃないですか。彼女のお兄さんに婚約を申し込んで了解はもらってるんです。だから入れて下さい」
彼女は少し驚いたように目を開いたがすぐに彼の話に納得したらしい。
「まあ、そうでしたか。そう言う事なら彼女すごく辛そうだから付き添ってあげて下さい」
「もちろんです」
男は3か月ほど前にこの学園に騎士練習生の講師としてこのペンダル学園に来たばかりだった。
講師と言うのは隠れ蓑であって実は訳合ってこの学園に調査に来ているのだがバイオレットが倒れて医務室に運ばれたと聞いて慌てていた。
彼はここに来る前にバイオレットの兄に婚約を申し込んでいたと言うのは本当の話だった。
実は婚約を受けると返事を聞いたのは今朝だったが間に合ってよかったと思った。
バイオレットがその話を聞いているかははっきりとわからないが知らないふりをするのは無理だろう。
だから急いで駆け付けたのだ。
彼の名前はヴィルフリート・バルガン25歳だった。
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