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一応この学園では淑女としての品位を落とすことのないようにと家族からきつく言われているので、吐き出したい言葉をぐっと我慢するが。
「心配するな。俺に任せろ。こういうことは慣れているんだ」
はっ?慣れているってどういう?
そんな事を考えている間にその男の手は制服のシャツのボタンを外すとあっという間に簡易コルセットの紐を解いていた。
「こんなに締め付けて…ったく。苦しかっただろう?」
感心したような声は蕩けそうな声色だ。
「何するんです。あなた一体誰?」
私はやっと上掛をはぐと相手の男の顔を見た。
彼はぎゅっと眉間を寄せて一瞬手を止めた。
えっと…この人は確かヴィルフリートじゃない。あの騎士練習生の講師としてやってきた。
私は驚いて彼を見つめた。
彼は私に婚約を申し込んこんでいると言ったヴィルフリート。
最初は冗談かと思ったが本当だった。
そう言えばあれからどうなったんだろう?お兄様からこの人に婚約を申し込まれているとは聞いたけど受けるかはまだ決まっていなかったはず?
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