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1婚約者気取りはやめてください
「バイオレット嬢は大丈夫なんですか?」
大きな声が医務室の外でした。
ギィーと扉を開く音がしたと思うと男が飛び込んで来た。
彼は金色の髪にそれに合わせたような琥珀色に煌めく瞳をしていて、まだ入っていいとも言われていないのに扉を開けて勝手に入って来る。
何とも遠慮のない男性だと医務室の学園医であるマリーンは思った。
「あなたは誰なんです?男性は入れませんよ!」
マーリン先生は怪訝な顔をして言った。
カーテンの向こうでベッドに寝ているバイオレットは気分が悪くてそれどころではない。
「私は彼女の婚約者です。事件の事を聞いて来たんです。会わせていただけますよね?それに私はこの学園で講師をしているヴィルフリートと言います」
「婚約者?でも彼女が婚約したなんて聞いていませんわ。嘘を言うのはやめて頂けませんバルガン先生」
マーリンは少し動揺したように髪を撫ぜつけた。
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