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「今日って何日やっけ?」
『四月一日』
「うん。そしたら、四月一日って、なんの日やっけ?」
『アホかいな…そんなんそれくらい知ってるで。エイプリルフールやろ?』
「うー...、そうそぅ!」
『うー...、そうそぅ...って、ウソついていい日やろ?』
「うー、そうそぅ!」
『さっきから、"うー、そうそぅ"しか言ってへんやん』
「うっ...そぉー?」
『うん、そうやで~』
「うっ...そぉーか...」
(何が、うっ...そぉーか...やねん...なんか腹立つわぁー)と心の中で思ってしまった。いちびる彼に、左手でパンチをお見舞いする。すると彼に両手で捕まえられてしまう。
「えらいへろへろパンチやなぁ...そんなパンチするんやったら、俺と結婚しなあかんわ」
『...えっ?うっ...そ...けっ、けっっこん?』
「ほんまや」
『ウソや』
「ほんまや」と言って、捕まったままの左手の甲を上に握り変えられ、そしてそのまま彼の口元に持っていかれ、左薬指にそっと口づけられた。
「ありがちやけど、予約な!」
『うっ...そぅ...そうやな...ありがちな...ほんまありがちな予約やけど...宜しくお願いします』
......と言うことで、今年のエイプリルフールは、私にとってむっっちゃ忘れられないものになった。
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