知らせ

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知らせ

    「リサ、あなたね、お姉ちゃんになるのよ」        数日後、パパとママがリサに告げた。    ママのお腹のなかに、赤ちゃんがいるという。       「ええ~…」      リサは驚きつつ、あの時のベージュの封筒のことを思い出した。         「ママ、あのね、このあいだのベージュの封筒、あれ、何だったの? 」   「ベージュの封筒? 」   「うん。私が新聞と一緒に置いたでしょ」   「うーん…。覚えてないなあ。パパ、そんなのあったっけ? 」   「うん? いや…。俺も覚えてないな」           そんなはずない。      あのあとリサは、帰ってきたパパが、確かに新聞の上にあった封筒を開けて、中の手紙を出して読んでいたのを見ていた。          でも、そういえばあのあと、ベージュの封筒はどこかへいってしまって、いつのまにかなくなっていたような…。  
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