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スガイ
リサの家に、赤ちゃんが生まれた頃、またお兄さんに会った。
「お兄さん」
「やあ、リサちゃん。また会ったね。どうした? 元気ないみたいだけど」
「同じクラスのスガイって男の子が意地悪してくるの。リサの手提げ袋の模様が変とか、髪につけてるリボンが似合わないとか。
先生が注意しても、やめてくれないの」
「ああ、そうか…。大丈夫だよ、リサちゃんの持ってるものや、髪につけてるリボンが似合わないなんてことはないよ」
「ほんと? じゃあ、どうしてスガイはそんなこと言うの? 」
「うーん…、リサちゃんが、リボンが似合ってるから、持ってるものが可愛いから、かな」
「だって…、変だ、って、可愛くない、って…」
「それはね、なんていうか。
…そう! うらやましいんだよ。
リサちゃんの持ち物が、あんまり可愛いから、リボンがとっても似合ってるから」
「え、じゃあ、スガイも、本当は、リサみたいに可愛い手提げ袋や、リボンをつけたいってこと? 」
「…うん、まあ。そんなところかな。当たらずとも遠からず、だと思うよ」
「そっか…。ありがとう、お兄さん。じゃあまたね」
「うん。じゃあ、また」
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