川崎美恵side

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川崎美恵side

お嬢様大学と言われる女子大に通っていた頃 から、抜きん出た美貌の持ち主と言われ 周りにチヤホヤされる事が当たり前だった私に 彼氏が途切れる事はなかった。 しかし容姿に惹かれ寄ってくる男達は 見事に3年周期で私のもとを去っていく。 「美恵には、自分の意思って物はないの?  就職先だって真剣に探さないしさ。  やりたい事ってないの?  ダラダラして依存ばかりしている癖に  我儘だけは言うんだよなぁ...  中身のない美人は3年で飽きるって  言うけど本当だったな!別れよう」 美恵は元彼たちから同じような辛辣な言葉を 幾度となく投げかけられていた。 私は、結婚して専業主婦になりたいのよ! 夫に養って貰って楽に暮らしたいの! いけない事? 仕事だって食べていければ良いだけだし 真剣に探す必要なんてある? 第一仕事が嫌いなんだもの... 仕方ないじゃない! 私の20代前半は、契約社員を続けながら 3年周期でこの繰り返しだった。 だが25歳を過ぎた頃に出会った2歳上の 淳也だけは違っていた。 全てに於いて相性が良かったんだと思う。 初めて8年という長きに渡る交際が続き 同棲をして婚姻届を出すばかりに なっていた筈、、、だったのに ある日突然、一方的に 別れを告げられてしまう。 「悪いが美恵とは、結婚出来ない!  お前の我儘には、もうついていけない  それに、、、理由はわかってるよな!」 淳也は必要最小限の荷物だけを持って  ここから出て行くという。 「後は好きに処分してくれていい」 「な、なんでよ!  理由なんてわからないわよ  8年よ、8年!どういう事か説明して!」 「はぁ〜美恵...知ってるんだよ。。。  1ヶ月前、会社のお疲れ様会で朝帰りした  事があったよな。  あれ、派遣先の課長と不倫してたんだろ」 「何言ってんのよ。知らない!」 「あの後、お前の派遣先の人と偶然仕事で  一緒になった事があって  川崎って名前を出した途端...  美恵がお世話になってますって  お礼を言うつもりだったんだよな。  それなのに俺が美恵と同棲してるなんて  露ほども思ってないから、その人    噂話を面白おかしく教えてくれるんだよ。  いいのにさ。。。はぁ〜  美人の派遣社員がいるけど  気を付けて下さいね。ってな  聞いた時は、ショックだったよ。  会社の資料室、お前らホテル代わりに  使ってるんだって?  綺麗な顔してお前やってる事がよな  吐き気がするよ!」 「えっ⁉︎」 「気付いてなかったのか。。。  周りは皆んな知ってるって言うのに  お気楽なこった。  呆れて物も言えない!  まぁそう言う事だから、俺は出て行く!  2度と連絡してくるなよ、いいな!  じゃぁな。。。」 淳也は捨て台詞を吐きながら 振り返ることもせず ドアをバーンと閉めて出て行った。  
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