綾野麻衣side

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2泊3日の北海道出張に来て早々、裕介達は 顧客への挨拶回りを終え、取引先との 契約交渉に向かっていた。 入念な事前リハーサルが功を奏して 交渉は順調に進み、2日間をかけて徹底的に 条件のすり合わせを行った。 東京にて最終チェックの後契約書を締結する 事で合意し、今回の出張も成果を得ることが 出来た。 綾野は裕介が効率よく動けるよう スケジュールを組み、片腕と言われる仕事を こなしていた。 「助かったよ。お疲れ様」 裕介達は、契約交渉が無事終了した事で ホッと一息、軽く祝杯を上げた後 ホテルに戻って来た。 裕介と綾野はお互いに、もう少し飲みたい もう少し一緒にいたいと、思いつつ 今回は、偶然同じフロアーになった 部屋の前で別れようとしていた。 「今日はお疲れ様でした。  それでは、おやすみなさい」 綾野は名残惜しそうにじっと目を見ていた。 「あ、あぁお疲れ様。。。」   綾野は、少しガッカリしたように下を向き 静かにドアを開けて部屋に入っていった。 僅かに...閉まる寸前 ガタッ! 裕介の腕がドアに挟まれているのが見えた。 「えっ⁉︎」 次の瞬間!振り向いて目を見開く綾野を じっと見つめる裕介が立っていた。
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