信じて待っててくれるか?

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信じて待っててくれるか?

じっと見つめ合う2人... 裕介は、ドアをこじ開け綾野麻衣を 正面から堂々と抱きしめてきた。 もう好きな気持ちを抑えられなかった。 嫌なら言って欲しい。でなければこのまま でいさせてくれ!と裕介は言った。 綾野麻衣は、首を左右に振りながら 「嬉しいです!」と言い 背中に手を回して裕介の胸に顔を埋めた。 裕介は、確認するような顔を見せ 優しく麻衣の唇を塞いだ。 そして、再び強く抱きしめた。 「好きだと言ったら?迷惑だろうか?」 ううんと首を振りながら、麻衣は続けた。 「わたしも課長の事を... 子供だと思われているのが辛かった」と 裕介は、一呼吸おくと 麻衣の手を引きソファーに腰を下ろさせた。 そして「聞いて欲しい事がある」と言った。 勇気を出して言葉にした裕介は 真剣な口調で話し始める。 今置かれている状況を正しく伝えたい という思いを込めて... 夏迄に、全ての手続きが終わるだろうが まだ離婚は成立していない。なのに 気持ちを抑える事が出来なかった 済まない!と言った。 そして、年末...いや クリスマスが一緒に過ごせるのであれば その時、改めて君に気持ちを伝えたい。 君に迷惑がかかる事のないようにしたい! だから...それまでは 今まで通り上司と部下の関係になる。 メールもデートも出来ないが信じて 待っていてくれないか?と尋ねた。 麻衣は、じっと俯き考えていた。 そうか...やっと分かったわ... 私は、課長の事が好きだったんだ いつから? きっとあの時... 麻衣はあの時の事を思い出していた。 あの時、キュンとしたんだっけ... 自分の好意を自覚した麻衣は 顔を上げ丁寧に答えていく。 「裕介さんの事を信じて  お待ちしていいですか?」
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